「リニア・鉄道館」には、歴代の新幹線や超伝導リニア、在来線車両など、計39両もの実物の車両が展示されています。
各展示車両を、展示されている様子の写真とともにご紹介します。
超伝導リニア車両
MLX01(MLX01-1)
山梨リニア実験線用の車両として1996年から導入された。旅客輸送実験のため、本格的な客室スペースが用意されている。2005年の愛・地球博でも展示されていた車両。
新幹線車両
0系新幹線
東海道新幹線開業時に製造された、初代新幹線。1964年~1986年の間に3,216両が製造された。末期は短編成になりながらも山陽新幹線で後継車両達とともに活躍を続け、2008年12月14日に完全引退となった。
922形式(922-26)
東海道新幹線開業前の試験車両、1000形B編成を電気・信号系の測定車に改造した車両。
100系新幹線
東海道山陽新幹線の2代目車両、0系の丸みを帯びた顔に比べ、シャープな流線型の顔になった。また、新幹線2階建て車両を初めて連結。現在は山陽新幹線で3編成が最後の活躍中、2011年度中には定期運用から引退する。
300系新幹線
東海道山陽新幹線の3代目車両。「スーパーひかり(仮)」用として1990年に試作車が登場。営業最高時速は270kmにスピードアップ。食堂車は連結されず、供食設備はカフェテリア方式となった。現「のぞみ」の第一世代の車両となった。
955形式「300X」(955-6)
300系の次世代技術実験のために製作された試験車両。編成の両方の先頭車の形状が異なっていた。1996年には時速443kmを記録、その後登場する700系やN700系の開発などに大きく貢献した。
在来線車両
数ある在来線の展示車両から、いくつかをピックアップしてご紹介します。
C62形蒸気機関車(C62 17)
貨物用機関車D52のボイラーを転用して誕生した機関車で、東海道線特急「つばめ」「はと」等に使用された。1954年には狭軌における蒸気機関車世界最速記録の時速129kmを記録した。
このC62 17は試験世界最高速度を記録した他の2両(超電導リニアMLX01・新幹線試験車300X)と共に、エントランス入ってすぐの「シンボル展示」エリアにて展示されている。実際に運転台の中に入ってみることが可能。
52系電車(モハ52004)
京阪神を結ぶ急行車両として1936~37年にかけ製造された車両。当時、世界的に流行っていた流線型となっており、そのデザインから「流電」とも呼ばれていた。
展示されている52系の車内。白熱灯の車内に、ボックスシートが無数に並ぶ。
出入り口ドア付近から車内を見学することも可能。
381系電車(クハ381-1・クロ381-11)
曲線区間を高速で運転できる「振り子式」を初めて採用した特急車両。名古屋~長野を結ぶ特急「しなの」用車両として1973年にデビュー。通常は車両の屋根上に設置する、クーラー機器などを床下にもってくることで低重心を図るなど様々な工夫がされている。
キハ181系気動車(キハ181-1)
従来より大幅にパワーアップの500馬力エンジンを搭載した、非電化路線用の気動車特急車両。勾配区間も従来よりスピードアップすることができ、各地で活躍した。
モハ1形3等電動車(モハ1035)
1921年より製造された電車。京浜線、中央線などで使用されたのち、飯田線(当時は三信鉄道)、さらに大井川鉄道へと転身し1994年にJR東海の元に戻り、鉄道省時代の姿に復元。
展示されているモハ1形の車内。白熱灯の車内に、明るい色の木材の壁が印象的。
この車両も出入り口ドア付近から車内を見学することも可能。
クモハ12形電車(クモハ12041)
旧鉄道省の初の銅製車両モハ30形を両運転台改造し、1両編成でも運転ができるようにした車両。このクモハ12041は晩年はイベント用として2002年まで走っていた。
キハ6400形蒸気動車(キハ6401)
日本に現存する唯一の「蒸気動車」。「蒸気動車」とは、車両の片端に蒸気機関車の仕組みを装備し、残りの空間を客室とし、一両で電気無しで旅客を乗せて走行できるようにした、現在の「気動車」の始祖ともいえる。
165系電車(クモハ165-108・サロ165-106)
勾配・寒冷地向けに、153系をベースとして1963年から製造された急行形電車。上越・信越・中央本線を始め様々な路線で活躍した。
その他の展示車両
ケ90形軽便用蒸気機関車、C57形蒸気機関車、ED11形電気機関車、ED18形電気機関車、EF58形電気機関車、クモヤ90形電車、111系電車、キハ48000形気動車 、キハ80系気動車、スニ30形客車、オハ35形客車、マイネ40形客車、オハ47形客車、オロネ10形客車、117系電車
このようにリニア・鉄道館では、現在のJR東海エリアで活躍したものを中心に、様々な時代の、様々な形式の貴重な車両を見学することができます。